私は歩く、歩いてゆく ―秋葉原から新しい明日へ―
「ヴァイブレータ」「余命一カ月の花嫁」「軽蔑」など現代を生きる若い女性の心情を鮮やかにフィルムに焼きつけてきた廣木隆一監督の最新作「RIVER」。
本作は、秋葉原殺傷事件をモチーフにし、大切な人を亡くし心を閉ざした女性が再び前を向いて歩きだすまでを繊細に描いた作品である。誰もが経験するかもしれない愛する人の突然の死。撮影直前に起きた東日本大震災に、廣木監督はこの映画のテーマのひとつである喪失感を現実の災害に感じ、急遽東日本ロケを敢行し、ラストへ向けて更なる深みが加わった。映画の主演は、蓮佛美沙子。繊細で凛とした主人公を瑞々しく演じ、加えて田口トモロヲ、根岸季衣、中村麻美、柄本時生、菜葉菜など個性派の俳優陣が廣木隆一ワールドに様々な彩りを添えている。また路上ミュージシャン役で出演し印象的な歌を披露しているQuinka,with a Yawanが、劇中の音楽も手掛けている。
【ストーリー】
ひとり、秋葉原に降り立ったひかり(蓮佛美沙子)。彼女は、秋葉原の事件で恋人の健治を失って以来、現実世界の時は止まり、いまだ、彼と過ごした時間だけを生きている。
今、健治が足繁く通っていたこの街をひたすら歩き、人々を見つめるなかで、女性カメラマン(中村麻美)、健治が好きだった場所で遭遇する若者(柄本時生)、メイド喫茶のスカウトマン(田口トモロヲ)と、そこで働く同世代の桃(菜葉菜)らと知り合う。彼らはそれぞれに事情を抱えながらも懸命に生きている。その中の一人、地下道で暮らす佑二(小林ユウキチ)は、親と喧嘩して家を飛び出してきた過去をもっていた。そして、彼が捨ててきた故郷の変わり果てた様子がテレビ画面に映し出される……
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